RACE REPORT

2024年 第3戦 鈴鹿サーキット(三重県)

2024.06.03

ANEST IWATA Racing with Arnage は、6月1日(土)~2日(日)、鈴鹿サーキット で開催された 2024 SUPER GT 第3戦 SUZUKA GT 3Hours RACE の GT300 クラスに参戦した。
シリーズ第3戦の決勝レースは、第2戦に引き続き“3 時間の時間レース”形式で開催された。6月を迎えた鈴鹿サーキットは気温、路温ともに上昇すると予想され、決勝レース中に2回の ピットストップが想定される長いレースに備え、第3ドライバーを登録するチームもある中、ANEST IWATA Racing with Arnage は第2戦同様、Aドライバーにイゴール・フラガ、Bドライバーに古谷悠河という2人体制でレースウィークに臨む。車両は ANEST IWATA Racing RC F GT3 である。

公式予選

岡山国際サーキットでの開幕戦、富士スピードウェイでの第 2 戦と 2 戦続けて苦戦を強いら れたチームは、今回の第3戦前のインターバルに、TCD(トヨタカスタマイジング& ディベロップメント)の協力を得てシミュレーターを使用し、セッティングの方向性を探る作業を積み重 ねレースウィークを迎える。
快晴となった1日(土)午前中の公式練習セッションを走り出したイゴールは、車体が跳ねてグ リップとトラクションが確保できない傾向を感じ取り、ピットインを繰り返してセッティングの 調整を進めた。セッション終盤マシンを引き継いだ古谷もさらにセッティングを行い、午後の 公式予選に備える。
午後、公式予選Q1Bセッションに出走したイゴールは、出走13台中4番手となる1分59秒535を記録、Q1出走全27台のうち上位16台が出走できるQ2グループ1に進出した。しかし、Q2セッションを担当した古谷がタイムアタックのためコースインしようとしたとこ ろ、電気系統にトラブルが発生。コースインが遅れてタイムアタック前に十分タイヤをウォーム アップすることができず、ラップタイムは2分1秒347にとどまる。合計タイムで決まるスターティンググリッドは出走27台中19番手へ沈んでしまった。

決勝レース

快晴だった前日とは変わり、決勝レースを迎えた2日(日)の鈴鹿サーキットは曇天となり午前中には小雨が降るという天候となった。午後1時30分、雨は止んで路面もほぼドライコンディションとなるが、いつ雨が降り出すか分からない状況の中決勝レースが始まった。
スタートを担当したイゴールは、オープニングラップのうちに2台をオーバーテイクし、17番手に付けて13番手争いの集団に加わる。チームとしては、雨が降り出す可能性を考えできる限り周回数を稼ぐ戦略を立てており、イゴールは戦略通り周回を重ねたが20周を過ぎる頃 から急激にタイヤ消耗が進みペースが上がらなくなった。
チームは30周走行時点でイゴールをピットへ呼び戻し給油を行い、それまでイゴールが走り ながら無線で伝えてきた感触に基づいて内圧を調整し直したタイヤを装着した。そのままドライバー交代は行わずにイゴールを コースへ送り返した。この調整でマシンの状況は好転し 、イゴールはハイペースで周回を重ねるものの、順位を自力で大きく変えるには至らず、事実上の16番手で50周を走りきりピットイン。古谷とドライバー交代し、タイヤ交換と給油を行う。
古谷は事実上16番手でレースを始め、イゴール同様前の車両をオーバーテイクしようとする が58周目で後方から接近した GT500 車両と走行ラインが交錯して接触してしまう。コースオフしてレースに復帰はできたものの、ポジションを2つ落としてしまった。
しかし、接触の影響でペースが上がらない中でも古谷は力走した。リタイア車両による繰り上がりも含め、最終的に順位を14番手まで上げて 83 周を走り完走のチェッカーフラッグを受けた。シリーズ第4戦は8月3日(土)~4日(日)、富士スピードウェイで開催予定です。

正式結果

公式予選 クラス 19位(参加27台)
Q1 Gr.B:1分59秒535(イゴール)
Q2 Gr.1:2分01秒347(古谷)
決勝 クラス 14位(出走 27 台) 83周(2周おくれ)

コメント

A ドライバー:イゴール・オオムラ・フラガ
「予選では、思ったような感じでコーナーを攻めることができ、クルマが持っているパフォーマンスを最大限引き出せたように感じました。決勝では、いつ雨が降るかわからない状態だったので最初のスティントを引っぱりました。2スティント目はクルマの状態も良くなって、割と 良いペースで走れました。最終的な順位は 14 位で終わりましたが、持ち込みの状態が100%でなかったところから始めて、それを直して予選も割といいところで通れて、決勝ではピットストップの速度も速くなりましたし、ピットのタイミングなどの作戦も良い感じで決まって、 僕らができることは結構やり尽くした週末だったと思います。チームの状態が確実に上向き なので、さらにポテンシャルを上げて次のレースを闘います」

B ドライバー:古谷悠河
「公式予選ではイゴールがすごい良いアタックをしてくれて4番手でQ2に行けたので意気込 んでいたんですが、コースインする直前にトラブルが出てしまいコースイン後に1周しかタイヤを暖める時間がなくなり、無理矢理タイムアタックしたものの、やっぱりタイムは出せずグリッドは後方に沈んでしまいました。決勝ではクルマを引き継いでから良いペースで走れてオーバーテイクもできたんですが、GT500 車両と接触してしまい、せっかくオーバーテイクした車両に抜き返されてしまいました。接触の影響でペースが上がらなくなってしまいましたが完走できて良かったです。今回のレースで少しクルマのセッティングについて方向性が見えてきて、タイヤの使い方もわかってきたので次回が楽しみです」

武田克己総監督
「Q1でイゴール選手が4番手のタイムを出したときは、4輪脱輪を問われてタイムが無効に なるかもしれないということだったので素直に喜べなかったんですが、結果が確定したとき には仲間みんなで喜びました。素晴らしいタイムアタックでした。一方、古谷選手のタイムアタ ックの時トラブルが出てしまったのが残念です。決勝レースの順位はもちろん納得できるもの ではありませんが、一部接触があった中今回も無事完走できて、得るものは大きかったと感 じています。サーキットへ持ち込んだ状態からクルマの状態をどんどん改善でき、チームとして1戦目、2戦目が終わった時より気持ちがポジティブな感じになっているので次が楽しみです。第4戦の富士では今回以上の結果を求めて、しっかりと挑戦していきたいと思います」
レポート一覧に戻る

ページ先頭へ