RACE REPORT

2024年第6戦スポーツランドSUGO(宮城県)

2024.09.30


ANEST IWATA Racing withArnageは、921日(土)~22日(日)にスポーツランドSUGO(宮城県)で開催された2024 SUPER GT6戦「SUGOGT 300KM RACE」にGT300クラスで参戦した。831日~91日に鈴鹿サーキットで開催予定だったシリーズ第5戦が台風の影響でキャンセルされ、127日~8日に順延されたため、今回のレースはシリーズ第6戦だが、今シーズン5戦目となる。ANEST IWATA Racing with Arnageの体制は、従来通りAドライバーにイゴール・フラガ、Bドライバーに古谷悠河、車両はANEST IWATA Racing RC F GT3


公式予選

ANEST IWATA Racing RC FGT3の車両特性はスポーツランドSUGOと相性がよく、昨年の同レースでは予選20番手から驚異の追い上げを見せ、クラス7位に食い込む大健闘を見せた。今年もアネスト岩田福島工場・秋田工場から約130名の大応援団が現地に駆けつけ、チーム一丸となってレースに臨んだ。

 

公式予選が行われた土曜日、スポーツランドSUGOの天候は早朝から悪化し、雨が降り始めた。金曜日の段階で天候の悪化が予想されていたため、競技運営団体はもし午後の公式予選がキャンセルされる場合、午前中に行われる公式練習セッション中に記録されたタイムでスターティンググリッドを決定する旨を各チームに通達していた。

 

公式練習セッションでイゴールがコースインしたが、クラッチにトラブルが発生し、タイムを記録することなくピットに戻ることとなった。修復作業に追われるチーム、迫りくる雨、そして、午後にキャンセルが決定された公式予選。ANEST IWATA Racing RC F GT3はノータイムのままセッションを終えるという痛恨の結末となった。

 

チームは公式予選に備えてマシンを修復し、タイムアタックの準備を整えたものの、天候のさらなる悪化により公式予選はキャンセルされた。通達通り、決勝レースのスターティンググリッドは公式練習セッションで記録されたタイム順で決まり、ANEST IWATA Racing RC F GT3は出走27台中最後尾から決勝レースに挑むこととなった。


決勝レース

そして迎えた決勝レースの22日(日)、スポーツランドSUGOは再び雨に見舞われた。午後130分開始予定の84周の決勝レースは、雨が止むのを待って午後222分に順延された。スタート時点で雨はほぼ止んでいたが、路面は依然としてウェットコンディション。ANEST IWATA Racing RC F GT3はレインタイヤを装着し、壮絶なレースに挑んだ。

 

イゴールは、出走取りやめの1台を除いた26番手からレースをスタート。先頭集団の混乱を巧みに避けながら着実なペースで走行し、序盤から順位を上げた。38周目には見事10番手に果敢に進出した。

 

路面が乾き出したころ、チームはスリックタイヤへの交換を見計らい、39周目でのピットインを決断。スリックタイヤを装着し、給油を行いながら古谷にドライバー交代を完了した。そのタイミングでコース上でアクシデントが発生し、全車80km/hに制限されるフルコースイエロー(FCY)が宣言された。

 

冷えたタイヤでピットアウトした古谷にとって、FCYのタイミングは幸運だった。慎重にタイヤのウォームアップを行い、レースペースに戻る準備を進めた。しかし、ブレーキングの瞬間に濡れた路面でスピンし、コースオフしてしまう。復帰して走行を再開するも、コースオフ時にマシンの前部を破損し、修復のためのピットインを余儀なくされた。ちょうどセーフティーカーが介入しており、49周目にようやくピットイン、修復作業を完了しレースに復帰したが、この間に順位は大きく落ちてしまった。

 

さらに、FCY中のコースアウトが危険行為と判定され、古谷はドライブスルーペナルティを受け、55周目にペナルティを果たした結果、ANEST IWATA Racing RC FGT318番手へと後退。古谷はその後も76周を走り切り、3周遅れでチェッカーフラッグを受けた。選手権ポイント獲得は逃したものの、最後まであきらめずに戦った姿勢はファンの心に刻まれた。次なる挑戦は1019日(土)~20日(日)、熊本県オートポリスインターナショナルレースウェイで開催予定のシリーズ第7戦である。

■正式結果

公式予選 キャンセル

スターティンググリッドはノータイムのためクラス2番手(参加27のうち1台出走中止

決勝 クラス18位(出走2台)76周(3周おくれ)


■コメント

Aドライバー:イゴール・オオムラ・フラガ

土曜日の朝、公式練習で走り出したらすぐにクラッチのバイトポイントがすごく高い所にあって、これはおかしいと思ってすぐ帰ってきました。その修復をするのに時間がかかって、ほとんど走れませんでした。その結果、決勝レースは最後尾からスタートすることになりましたが、それまでほとんど走れず何も分からない状態だったので、スタートしてからはあまり焦らずじっくりクルマを走らせ、いろいろなことを感じ取りながら淡々と自分のペースを守ることに徹しました。そうしたら何台かオーバーテイクすることができ、気づいたら10番手くらいまで上がって、チームメイトにバトンタッチできました。結果的には残念ですが、できることはできたかなと、自分では納得しています

 

Bドライバー:古谷悠河

公式練習も走れず、ウォームアップでも少しだけ走っただけなので、決勝レースがどういう風になるのか、走ってみないとわからない状態でした。でもスタートを担当したイゴールがどんどん追い上げて順位を上げてくれました。路面が乾き始めた段階で僕に交代しましたが、アウトラップを走ったところでFCYになりました。その段階で、僕が履いたスリックタイヤはまだ冷えていてすごく滑る状態だったので、温めようと思ってブレーキを当てながら(発熱させて)走っていたら、リヤタイヤが空転してしまってスピンして壁に当たってクルマを壊してしまいました。そこでSCが入ったので、壊れた状態のまま周回してリスタートしてからピットに入って修復してもらいました。本当にしょぼいミスをしてしまい、みなさんに申し訳ないです。クルマ的にはオートポリスは合っていると思うので、しっかり準備します

 

武田克己総監督

土曜日から福島工場、秋田工場から130名ほどの応援団に来てもらったのですが、あいにくの雨で、しかもきちんと結果を出せなかったので申し訳なく思っています。土曜日にトラブルが発生したこともあってまったく走れなかったうえ、日曜日も天候が非常に不安定で、どのチームにとってもどんなレースになるかわからないという状態で臨んだレースでした。展開に助けられたところは多いとはいえイゴールが良いペースでしっかり走ってくれ、予想以上に順位を上げられて選手権ポイントが獲得できるかなと期待しましたが、非常に悔しく残念な結果に終わりました。今回も完走したというところは良かったとはいえ、今一番必要なのはポイントを取ることです。次のオートポリスは比較的得意なコースですし、鈴鹿のレースが順延された結果、上位陣のウェイトが最大になりますから、うちにとってチャンスだと思っています

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