ANEST IWATA Racing with Arnageは、10月19日(土)から20日(日)にかけて、大分県のオートポリス・インターナショナル・レースコースで開催された2024 SUPER GT第7戦「AUTOPOLIS3HOURS RACE」のGT300クラスに挑んだ。ANESTIWATA Racing with Arnageの体制は、従来通りAドライバーにイゴール・フラガ、Bドライバーに古谷悠河、車両がANEST IWATA Racing RC F GT3。
■公式予選
前日の搬入日まで好天に恵まれていたオートポリス。しかし、公式予選が行われる19日(土)は、朝から降雨と霧に見舞われ、コースコンディションは一変した。午前9時20分から予定されていた公式練習セッションは、悪天候を理由に延期され、その後、午後のすべての走行がキャンセルされる事態となった。これにより、公式予選は決勝日の朝8時から30分間のセッションで行われることになり、ドライバーを問わず記録されたベストタイムでスターティンググリッドを決定する形式に変更された。
翌20日(日)、雨は上がったが気温と路面温度は低く、路面には前日の雨水が残る難しいコンディションの中で公式予選セッションがスタートした。チームが持ち込んだタイヤは高気温&高路温を想定しており、低温のこの日は十分なウォームアップが必要だった。しかし、まだ路面が濡れている状態で始まった30分間のセッションだけでは、十分にタイヤをウォームアップすることはできないとチームは判断。レインタイヤを装着してイゴールをコースへ送り出す。
車両の調子は良好で、イゴールはセッション中盤にタイムアタックを行い、27台中7番手のタイムを記録。しかし、セッション残り10分になった頃には路面が乾き始め、スリックタイヤを装着したライバル車両のタイムが上がり始めた。残り5分の段階ではイゴールは8番手を維持していたものの、最終的には23番手まで順位を落とした。
■決勝レース
公式予選が終了して3時間後の11時30分から、決勝レースに向けて40分間のウォームアップ走行が実施された。ここで出走していたイゴールから、シフトチェンジ時のクラッチが滑り、加速が鈍ると無線でチームに報告される。しかし、3時間と長い決勝レースに向けてタイヤの消耗度を確かめておく必要もあり、違和感をおぼえたまま走行を続行。
セッション後半は古谷に交代するも、再びクラッチの違和感をおぼえてピットに帰還。チームは前回のレースでも発生したトラブルかもしれないと判断し、制御系の部品を交換して古谷をコースへ送り出す。しかし、症状は改善せず、むしろ徐々に悪化していくようだった。
チームは決勝レースにこのまま出走は無理だと判断し、クラッチの修復作業に入った。
決勝レースのスタートは1時間後に迫る中、修復には3時間程度の時間が見込まれたため、ANEST IWATA Racing RC F GT3はスターティンググリッドに並べず、ピットからレースを見守ることとなった。修復作業が終わったのはレース終了1時間前。完走扱いの周回数を稼ぐことは不可能だったが、次回のレースに備え、まずイゴールがコースに送り出された。
イゴールは最下位からスタートし、17周を走ってピットに戻り、古谷に交代。古谷はセーフティーカー介入も挟みつつ12周を走り、チェッカーフラッグを受けた。走行は29周、トップから59周遅れで完走基準を満たせず、完走ポイント獲得はならなかった。
シリーズ第8戦は11月2日から3日にかけて、栃木県モビリティリゾートもてぎで開催される予定である。
■正式結果
公式予選 クラス23位(参加27台。イゴール)
決勝 リタイア 29周(59周おくれ)
■コメント
Aドライバー:イゴール・オオムラ・フラガ
「予選はウェットタイヤで賭けに出て、途中までは上位にいたんですが、最後にコンディションがレインからドライに逆転してしまい、一気に逆転されて順位が沈んでしまいました。それでもクルマの感触は良かったので、レースで順位を上げようと思っていました。でもウォームアップを走り始めたらクラッチの違和感が出始め、症状が悪化していったのでスタートはあきらめて修復作業に入ることにしました。結局レースは最後の1時間だけしか走れずに終わりました。去年はオートポリスのレースでポイントが目の前に見える11位に入賞していて、今回のレースは僕らにとってチャンスだと思っていたので残念です。シリーズも終盤ですが、なんとか頑張って上位を狙いたいです」
Bドライバー:古谷悠河
「土曜日が悪天候になってしまい走ることができず、日曜日に予選と決勝がある変則的な大会になったので、予選はイゴールに走ってもらいました。スターティンググリッドは下に沈んでしまいましたが、クルマのポテンシャル自体は悪くなかったと思います。でもレース前にクラッチトラブルが出て修復作業に入ったので、僕はレースの終盤に30分だけ走りました。次回のレースに向けてタイヤの感触を確かめながら走ったんですが、ペースの落ちは緩やかで良い感触を得ました。でも十分な周回数を走ることができなかったので、その後クルマのバランスがどう変化していくかをもう少し確かめられたら良かったなと思います」
「上位陣が最も重いハンディを背負って走るこのレースには我々にとって大きなチャンスがあると張り切って臨みました。ところが土曜日は大雨になり、日曜の朝から予選ということで慌ただしい中、予選は難しいコンディションとなってウェットタイヤを使った我々には厳しい結果に終わってしまいました。それでも決勝で巻き返そうと考えていたところ、今度はクルマにトラブルが発生してスタートできなくなってしまいました。このまま引き下がるわけにはいかない、ということで修復をしてレースの終わり1時間、なんとか走って次のレースに向けたデータ袖手を行いました。応援していただいた皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいです」